メイチダイ

メイチダイは夏の終わり頃から獲れてくる魚です。白身魚が極端に少ない時季なので、重宝します。秋~冬も獲れ続けますが、量がまとまらないためか、魚屋には定番でも、一般にはあまり知られない魚です。その割に値段は非常に高く、メジャーな魚ではないだけに簡単には売れません。

 

実際、夏以降のメイチダイは脂で身が真っ白になって、甘み、旨味が濃厚です。分かりやすい白身のトロで酒よりもご飯が進む感じ、自分は好きですが、単純すぎるのか、くどいのか、通に敬遠される場面も何度か見てきました。

身が荒く(細胞の密度がゆるい)身持ちが弱いのも難点でしょうか。活〆でも翌日には少し緩くなります。(昆布締めにして水分を抜くととても美味しい)

 

白身魚は、身持ちの良さで魚のランクが決まるので、マダイやヒラメに比べてメイチはその点が弱点なのか、料理屋さんで好き嫌いが分かれる魚です。でも、食べてみるとやっぱり問答無用に旨いんです。

 

流通量が少ないので、季節を代表する魚とまではいかないでしょう。

でも魚屋にしてみれば、夏の終わりと秋の訪れを感じさせてくれる魚です。

真夏日の市場で汗を流す日々、その年最初のメイチがひょっこり姿を現すと、秋を感じてホッと安心します。

カワハギが旬を迎えるまでのわずかな期間、なんだかんだ言われながらも、白身の第一線をキープしてくれる、もっともっと知られてほしい魚です。